人がいる、人がつながる、長屋のような経堂の街がある

2019.5.30

チャリティーという言葉を使わない方向へ

コラム+物語・経堂喧噪論

〈チャリティーという言葉を使わない方向へ〉
昨夜のさばのゆは、
缶詰博士・黒川勇人さんの缶詰イベントでした。



「経堂こども文化食堂で使ってください」と、
黒川さんから缶詰をたくさんいただきました。

マルハニチロさん、国分さん、キョクヨーさん、
明治屋さん、木の屋石巻水産さんに缶謝!
ネーミングクリエイターの前田さんからおいしい卵も!
実は以前から「チャリティー」というような言葉を
わざわざ使わないでも済むようにならないかなと思っていたのでした。

6月に10周年のさばのゆ。
10年やって気づいたのは、
大切なのは(往々にしてカタカナの)キャッチフレーズではなく、
いい空気感・文化感を醸す人たちが集まれば、
あとは自然に「こと」が進むということ。

「こと」というのは「発酵」に近いもののような気がしています。

ということは、さばのゆは文化や時には産業の、
あるいは人間缶系を発酵させる酒蔵や味噌蔵、
醤油蔵のようなイメージをもっと持っても良いのかもしれません。

酒蔵に納豆を一粒でも持ち込むと酒づくりが台無しになってしまいます。
(納豆に罪はありませんが)
さばのゆはじめ雰囲気の良い小さなお店に説教やマウントを
2、3秒でも持ち込むと文化づくりが台無しなってしまいます。
(説教、マウントは罪深いですw)

キャッチフレーズがなくても普通の日々の営みに
おもしろいこと、良いことが動くダイナミズムが宿る。
そこからブレないことが大事なことのような気が。

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須田泰成

コメディライター/プロデューサー/著述家/クリエーティブディレクター。2000年、伝説の地域寄席・経堂落語会の代表世話人を勤めた故・栃木要三氏のラーメンからから亭の経営不振を立て直すため、個人飲食店を応援する経堂系ドットコムをスタート。2009年さばのゆオープン、落語、トーク、全国の地域イベント等で知られるように。東日本大震災の津波で流された石巻の缶詰工場・木の屋石巻水産の泥まみれの缶詰を洗って売るプロジェクトは、さばのゆから全国に広まり、約27万個を販売。工場再建のきっかけとなるなど、ソーシャルな活動も多い。本業は、著述、映像・WEB制作、各種プロデュース。著書に『モンティパイソン大全』(洋泉社)、脚本・シリーズ構成に『ベイビー・フィリックス』(NHK),
『スーパー人形劇ドラムカンナの冒険』(NHK)など。
最新刊は、木の屋石巻水産の復興ノンフィクション本『蘇るサバ缶〜震災と希望と人情商店街〜』(廣済堂出版)
Twitter:@yasunarisuda
facebook:https://www.facebook.com/yasunarisuda

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