人がいる、人がつながる、長屋のような経堂の街がある

2019.9.9

塩田千春 展 「魂がふるえる」 @森美術館を観て、経堂の街を思う

コラム+物語・経堂喧噪論

麻布十番から六本木へ打合せの旅。
途中、
塩田千春 展 「魂がふるえる」 @森美術館

入ってすぐの巨大なインスタレーションを前に設置されたプレートの
「糸はもつれ、絡まり、切れ、解ける。
それは、まるで人間関係を表すように、私の心をいつも映し出す。」
という言葉が印象的だった。

そのインスタレーションを見ていると、
この20数年の経堂の街のように感じてきた。

もつれる人間関係、絡まり、切れ、解ける。
或いは、家族同然の人が亡くなり、消え、
または新しく生まれる生命や関係性も。
次世代に繋がる文化や学問、味もある。

日々、人が集い酔い、
カウンターから生まれる「これから」も無数に思える経堂の街

岸和田生まれ、ご両親は高知出身という
キャプションの文字を見逃さなかったのも、何かの縁かもと。
実は高所恐怖症なので、ビルの30階を超えると足がすくみ、
生きてる心地がしないのに、
一連の作品を見たあと現れた地上52階の大きな窓を前にした時、
微塵の恐怖も感じなかった。

本物のアートは何かを超えさせるものかのかもしれない。

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須田泰成

コメディライター/プロデューサー/著述家/クリエーティブディレクター。2000年、伝説の地域寄席・経堂落語会の代表世話人を勤めた故・栃木要三氏のラーメンからから亭の経営不振を立て直すため、個人飲食店を応援する経堂系ドットコムをスタート。2009年さばのゆオープン、落語、トーク、全国の地域イベント等で知られるように。東日本大震災の津波で流された石巻の缶詰工場・木の屋石巻水産の泥まみれの缶詰を洗って売るプロジェクトは、さばのゆから全国に広まり、約27万個を販売。工場再建のきっかけとなるなど、ソーシャルな活動も多い。本業は、著述、映像・WEB制作、各種プロデュース。著書に『モンティパイソン大全』(洋泉社)、脚本・シリーズ構成に『ベイビー・フィリックス』(NHK),
『スーパー人形劇ドラムカンナの冒険』(NHK)など。
最新刊は、木の屋石巻水産の復興ノンフィクション本『蘇るサバ缶〜震災と希望と人情商店街〜』(廣済堂出版)
Twitter:@yasunarisuda
facebook:https://www.facebook.com/yasunarisuda

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