2005.11.3
旬の料理と粋な会話はずむ賑わい居酒屋
「らかん亭」
経堂駅の北側、Odakyu-OXの前の道を西(千歳船橋方向)へ、右手の古本大学、コンビニを通り過ぎると、漢方薬局屋さんがあります。その角を右へ入って、すこし歩くと左手に『らかん亭』の看板が見えてきます。
2005年で創業十年という『らかん亭』は、ある意味では、経堂という特殊な街のいい感じの縮図といっても良い居酒屋です。
まず、集まる人の種類が実に多様。
プロの棋士や落語家、霞ヶ関から千代田線?小田急線で帰宅する官僚やお堅いサラリーマン、お堅くないサラリーマン、メディア関係者、クリエイター系、飲食関係、音楽関係、映画・演劇関係、フリーター、学生、近所のご隠居さん、などの人たちの笑い声と話し声が、BGMのジャズの音色に溶け合って、絶妙の賑わい感が店内に満ちているのが特徴です。
個性派が多いお客たちが舌鼓を打つのは、旬の新鮮な魚や肉、野菜を使った和食中心のメニューの数々。腕を振るうのは、青森出身の店長・牧田さんです。(ちなみに牧田さんは、80年代?90年代のインディー系音楽フリークです。ご自身がミュージシャンでもあったりして)
魚は、各地の港からの直送モノをはじめ毎日充実。年中味わえる牡蠣(夏は岩カキ)や貝類。刺身は、関アジなどの定番ものから、おろした肝と一緒に味わうカワハギの薄造りなどの珍しいものまでが日替わりで。お得な刺身盛り合わせは、一人前880円。シメサバには、関西人も満足。
焼き物や煮魚も、その日に入った良いものを素材の美味さを活かして仕上げています。
オコゼやカサゴ、目光、タラのほほ肉など、歯ごたえ&白身ならではの淡白な味わい絶妙の唐揚げは、ビールのお伴に欠かせません。
また、イクラの味噌漬けや青森の郷土料理ニシンの切込みなど、お酒にあうツマミ系の海の幸メニューも要チェックです。
その他、ゴーヤーと湯葉のピザ、1人でもホクホク温まれるお鍋、地鶏の山椒揚げ、ボリューム満点の魚のカルパッチョ・サラダ、パスタのような趣の冷たい明太子うどんなど、人気メニューの味とボリュームと充実ぶりは、そんじょそこらの創作料理チェーン店に負けません。
あっ、そうそう!忘れてはならない、熊本直送、らかん亭の馬刺し(780円)。この値段でこのクォリティーは、感動です。編集部は、かつて、九州勤務の長かったNHKのプロデューサーさんが感心しながら舌鼓を打っていたのに遭遇したことがあります。さきほどのニシンの切込みはじめ、お店の人のお国の味が楽しめるのも、世界各地&日本各地の人が暮らす経堂ならではですね。
お酒は、ビールに日本酒、焼酎、ワインなど。日本酒と焼酎の品揃えは多く、東京農大の醸造学科の学生さんがバイトをしていたこともあったりして、結構いろいろ、定番から通好みのもの、珍しいものまでが充実しています。美味い料理と旨い酒、いろんな楽しい人たちが集まる「らかん亭」の雰囲気は、オーナーの志方さんが何年もかけて熟成したもの。九州男児にして農大落研のOBという志方さん。旬の料理をリーズナブルな値段で惜しげもなく出してしまうあたりが、九州人の大らかなサービス精神のなせる技なのでしょうか。様々な年齢や職業の人たちがカウンターで色んな話に花を咲かせるオープンな雰囲気は、粋な落語の精神に通じているのでしょうか。
カウンターは女性一人でも気軽に和めます。テーブルは、四人掛け。奥の座敷は、十人の団体さんでもOKです。
そんな経堂の賑わい処「らかん亭」に是非!
らかん亭
経堂で10年ほど親しまれた
らかん亭の元・店長、まっきーこと牧田さんが、
独立して下高井戸にお店をかまえました!
店名は、まきたや。
下高井戸の日大通りの交番そばの
鯛焼きのタツミの並びを日大方面へ10メートル。
- 住 所
- 東京都世田谷区経堂2-13-16